国内4社が共同研究に合意

水素エンジン開発が活発化

車に水素を利用すると聞くと、燃料電池で動く車「FCV」を連想します。
しかし今注目されているのは「水素を燃料」にする「水素エンジン車」です。

水素「H」はほぼ水「H2O」で、人の体の中でも化合物や水などの形で存在しています。
体の質量比で換算すると1割が水素といいますから、人にとっても重要不可欠な元素です。
地球上でごくありふれた元素である水素をエンジンとして利用するとは、車の世界も大きく変化しているといえます。

国内にはヤマハ、カワサキ、スズキ、ホンダと世界でも知名度の高いメーカーがありますが、これら4社のメーカーも水素エンジン技術に意欲を見せているのです。
実はこれら日本が誇る2輪メーカー4社が、カーボンニュートラル時代を生き抜こうと、水素エンジンの技術開発に「共同」で乗り出すとされています。

バイクメーカーが考える水素エンジンの内燃機関への活用

トヨタ自動車が水素エンジンの車をレースで走らせたことが大きなニュースになりました。
その後、トヨタ自動車を中心に、そのほかのメーカーもカーボンニュートラル燃料を利用しレースに参入すると伝えています。

ここでヤマハは「内燃機関」でカーボンニュートラルを実現できるのが「水素エンジン」と伝え、2輪の水素エンジンについて内燃機関の存続を探るとしています。
内燃機関というのはシリンダといった機関の中で燃料を燃焼し、発生したガスを利用し直接機械仕事ができる原動機のことです。

内燃機関を利用した水素エンジン

カワサキも内燃機関は昔から日本で高められてきた技術の結晶であり、この技術を「水素」を通じ残したいと伝えています。
川崎重工が持っている水素タンクの技術などを各メーカーと共用し、技術力を高めていくことを表明していますので、内燃機関を利用した水素エンジンの開発が進化していくでしょう。

2輪メーカー4社が水素エンジン活用技術共同開発に合意

4輪レース・スーパー耐久の岡山ラウンドの記者会見で発表された「内燃機関」を利用するという発表の後、ヤマハ、カワサキ、スズキの2輪メーカーが2輪メディア向けラウンドテーブルも開催と発表しました。
この時ホンダは出席していませんでしたが、日本の2輪メーカー4社 ヤマハ、カワサキ、スズキ、ホンダが水素エンジン活用技術共同開発について合意と発表されています。

すでに協業は動き出しており、この先、水素エンジンの共同研究のほか、吸気デバイス、水素配管などの周辺機器についても共同研究すると伝えられています。
それぞれのメーカーが持っている得意分野を共同開発で組み合わせていけば、この先、水素エンジンはどんどん開発が進むでしょう。
エンジン本体については、これまで同様、お互いに競争し切磋琢磨しながら作っていくということなので、こちらにも期待大です。